欧州遠征2015夏- 8-

2015年9月21日、TGVでパリに向かうはずだった自分はいつしか鈍行とICE、ICを乗り継ぎ22日01時にルツェルンのホームに降り立っていた。かの有名なスイスの観光地だけどまあそんな時間に人が向かうわけもなく道中のICEでは日本人も乗っていたものの気が付けばそれも下車し、ICに乗り換えた頃には更に乗客は減り、終着ではもう…

そして気温は半袖とパーカーではとても耐えきれない極寒。しかし夜空には星空が。そう、翌日にはスイスにVSOEがやってくる。晴れ予報を信じて3日前に雨で晴れカットが撮れなかったVSOEのリベンジにやってきたのだった。

不審者が来ない場所でなおかつ人も来ないような場所を選んで始発まで野宿、始発の時間にもなれば駅の待合室でちょっと時間を潰して、撮影後パリに向かうTGVの座席予約を済ませていざ撮影地へ。が、この時、夜には星が見えていた空が一転どんよりした曇り空。しかもただの曇りではない。めちゃめちゃ辺りが暗くなるほどの雨すら降りそうなドン曇り。絶望した。連敗した。わざわざ海外まで来て一番撮りたかった夢にまで見た列車で連敗した。あのオリエントエクスプレスを一目見る事が出来ただけでも御の字と言わなければならないのか。否、2回も撮影に挑戦したのだ。1回くらいは晴れてもよかろう。だが天は許さなかった。

そして悲嘆にくれてVSOEを見送った頃、日本の宇田郷ではめちゃくちゃ撮りたかった凸型機関車の曳くトワイライトエクスプレスの黄昏シルエットがついに成功されたという。

こんなのって、無いよ。

そんな中やってきた飾り帯に装飾されたRe620 11626。

予期せずネタ釜に遭遇できたことが不幸中の幸いか。

スイスに寄り道した関係でパリ到着は一日遅れの午後3時。パリ観光?知りませんね。

リヨン駅からエッフェル塔までを迷いに迷いながら、街中の小さなショーケースに蜜蜂がブンブン飛んでいるようなパン屋で甘いフランスパンを買ってパリジャンのお姉さんの真似事…ではなくいつものように食べながらひたすら練り歩き、結局蛇行に蛇行を重ねてやっとエッフェル塔に着いたら記念撮影もほどほどにこの日の宿へ大急ぎで移動。地下鉄の切符を買うにもその買い方も切符のシステムもイマイチ理解出来ずに右往左往。

そしてやっとこさ着いた宿は郊外移民街にある有名な日本人宿。 付近からはモロッコ行きのバスなんてものも出ていてこの先に行くつもりの遥か彼方の国に思いを馳せたり。それにしてもパリからモロッコまでイベリア半島縦走の後にジブラルタルを超えアフリカ大陸行程など一体どれだけの時間がかかるのか、ちょっと末恐ろしいものを感じずにはいられない。

結局この晩は久しぶりに日本語にまみれて、晩ご飯まで頂いて、夜景を見に出かける気も起きずにそのまま睡没。この辺、日本人宿の魅力でもあり魔の面でもあると思う。

翌朝にはユーロスターに乗るべくさっさと出発。パリ滞在時間、聞いて驚けたったの18時間。我ながらあまりにも勿体ないと思ってる。フランス、リベンジ決定。

あまりの滞在時間の短さに特に感想も無い。強いて言うなら、パンは美味かった。ヨーグルトの見た目をした中身生クリームなフロマージュフレーズ。これも美味かった。それだけでしかない。 

どんより雲のパリ。これはこれでドラマの一コマのようで味わい深い。

…ちがうちがうちがう。曇りがちな陰鬱パリは冬のものであるはずだ。今はまだ夏。

こんなの絶対におかしい。

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