ヨーロッパリベンジ2016秋-1-

2016年10月、前回去年の欧州横断遠征のリベンジと称して再び欧州に飛んだ。

その目的は読んで字の如し。曇られて終わった晴れのVSOE撮影を狙い、その他近隣諸国を含めた各種撮影地の攻略。そして半日しか出来なかったフランス観光、特に見るものも見ていないイタリア観光を今回をもって攻略すること。さらにはスイスで行われる谷間を抜け射撃演習を行うという世にも特殊な航空祭・アクサルプエアフェスタに参戦するという目的を持って飛んだ。

もっと言えばウクライナにも訪れるボーナスステージも用意して…

が、西欧との相性はどうにも最悪らしく結局滞在3週間のうち8割方はドン曇り。鉄道撮影には最悪この上ない状況だった。加えてアクサルプ航空祭は夏から続いたスイス空軍の死亡事故により10月頭に突然のキャンセル。

もはや飛ぶ前から観光で全てを茶を濁すしか無い、絶望的な状況が容易に予想できた。が、もはや予約してしまいキャンセルすることも出来ない4万という激安航空券と航空祭のキャンセル宣言直前に取り寄せてしまったユーレイルパスのためにやむなく欧州に飛んだ。

結局欧州到着後2日はなす術なく普通の、我々オタクにとっては暇この上ない時間を過ごした。

特に深い意味はなくハルシュタットへ向かい。結局のところ酷い曇り空に何ら美しくもなく意気消沈し、とりあえず街に戻りソーセージを食してみるなど、ただただ怠惰な時間を過ごす。

3日目。オーストリア・ザルツブルグにて遂に時が来た。山の美しい、完璧なる青空。最高の撮り鉄日和がやってきた。

晴れ予報はこの日のみ。全力でぶっ飛ばすしかない。ザルツブルグ近郊で午前と午後、二つの撮影地を掛け持ちするややキチガイじみたプランでこの素晴らしい日をものにすることにし、まずはザルツブルグ東部、ウィーンとザルツブルグを結ぶ幹線上の小駅wengでオーストリアの誇る高速列車(大嘘)RailJetを狙う。

撮影地最寄駅手前まで2駅ほど濃霧に包まれるも最寄駅を境に霧が晴れて綺麗な朝日が線路に差し込んでいるではないか。撮影現場は平和そのもの、だだっ広い丘。欧州撮り鉄の醍醐味ともいえる長閑な環境での撮影。これこそが欧州鉄路。美しき欧州鉄路。素晴らしき欧州鉄路。待ちに待った日がやってきた。

あ、機関車が逆釜(客車と揃えられるはずの帯が逆方向を向いていること)は気にしないでほしい。もうこれ最近のRailjetじゃ普通のことなので。

Wengでの撮影を終えて次の現場はザルツブルグ南部、タウエルンバーンへ向かう途上にあるpfarrwarfen。実はここ、あの「サウンドオブミュージック」のドレミの丘が所在する場所でそのイメージの通り美しい山々に囲まれたとにかく美しい撮影地。

ここへ向かう道中も退屈はしない。保津峡界隈の山陰本線旧線を彷彿とさせる渓谷に沿った路線などは見応え抜群。我々鉄道趣味者にとってはそれだけでも観光気分になれるというもの。ちなみにここpfarrwarfenには様々な撮影地があり、順光時間に合わせて様々なアングルが楽しめる。さらには対イタリアの主要幹線とあって貨物列車も多く通過し暇することは殆ど無い。

と、いう訳でまずは昼まで順光の川をバックにした撮影地へ…のつもりが到着が遅れ順光時間に間に合わず。列車は小さいものの近隣で茶を濁した。

この後、空には薄い雲が漂い始めこの日の活動は強制終了。ザルツブルグに戻ってソーセージとカツレツを肴に勝利の美酒に酔いしれた。

前から思ってはいた事だけれど、今回確信した事を一つ。

このオーストリアという国。美しさはスイスに全く劣らない。むしろ勝っているか。ハイレベルなもの。物価は安く、それでいて食事は美味い。治安も良い。ドイツとスイスの良いところをそれぞれ引っ張ってきたような国、それがオーストリア。列車も美しく格好良い、西欧きってのレベルの高さ。

確かにスイスと違って有名な山など無い。観光地だった周辺諸国に比べてみれば際立ったものは特には無い。それこそがオーストリアが地味な存在である所以だろうだけれども、その分ザルツブルグやウィーンなどの街はコンパクトで予習なしでも楽しむ事ができる。皆様是非どうぞ。

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