南アフリカの荒野に大蛇を追う-2-

半日を掛けて辿り着いた内陸の小さな町、Loeries fontein。

聖書売りの旅人が雑貨屋を始めたことをきっかけに成長したという不思議な成り立ちの小さな小さな町は如何にもアフリカといったイメージの素朴な雰囲気を醸し出していた。

大晦日を迎えた翌朝。2018年最後の撮影行へダート道をひた走る。

時には羊を追いながら。程なくして俯瞰に良さげな丘を見つけてよじ登る。

あとは列車の到来を待つのみ。

待つこと1,2時間程で列車はやってきた。オレンジの大地に干上がった川、周りを岩の丘に囲まれた荒々しい大地を全長4kmはあろうかという長大列車が眼下を往く圧巻の光景。

ちなみにカルーと呼ばれるこの地域には致死性の毒、それもかなりの強毒性の蛇が生息しているのだという。それを知るのは帰国後の話ではあるが今になって考えると中々にゾッとするお話。アメリカにだってガラガラヘビはいるし、蛇でなくてもクマやヒョウなど危険生物は世界各地におり、いつでも気をつけてはいるつもりだが、噛まれて病院に行くまでにも間に合わず死がやってくるほどの危険生物が地面に同化して潜んでいるというのはやはり恐ろしい。

さて、先ほど鉱山行きの列車が行ったということはいずれどこかの信号場で対向列車と離合して今度は港行きの列車がやってくるはず。場所を移動して別の丘を見繕ってカメラを構える。太陽は既に高く昇り、気温は40度を超える。カラッとしている分アジアの蒸し暑さと比べると幾分マシにも感じるがこの時日本は冬。季節の逆転したこの国にやってきてものの数日でこのような環境に置かれるというのは非常に身体にも堪える。あまりの暑さに目眩がするが、程なく列車がやってきた。今回はやや短いか?

その後、別の撮影地で上下各1本ずつ撮影していくが、あまりの極暑に身体がギブアップ。

まだ昼下がりではあるが早々に撤退、宿で年越しラーメンを作り日本から7時間遅れの年越しに臨んだ。南アフリカの小さな小さな町での年越しの瞬間は近くの民家で一発の爆竹が鳴ったのみの静かな年越し。それよりも頭上の満点の星空と見慣れぬ南半球の星空が記憶に残る年越しの実感の薄い正月の到来となった。

元旦の朝も線路際には向かってみたが待てども待てども列車の来る気配がまるでなく、流石に元旦は列車の運行も停止すると判断。今回の撮影行を終了した。

帰路道中、別の鉄道路線でかなり気になる線形を目にしたがこれもやはり元日運休。

次にいつ来るとも知れないが次回以降の課題ということに。

次回の照準はきっとこれ。狭軌鉄道最大出力を誇る蒸気機関車、レッドデビル【Red Devil】。最後の最後、ケープタウンのヤードでこれみよがしに留置されていたのが憎すぎる演出。

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