Road to Mongolia-3-

大草原でのサバイバル撮影が終わり、1日設けていた予備日。特にする事もなければ相変わらず北京で傷付けられた身体はこの日も大暴れ、鼻水が止まらず宿からも出かける気が失せて気がつけば昼になっていた。ずっと寝ているのも勿体無いので昼飯がてら少し散歩。

キリル文字が相変わらず異国感を感じさせてくれる。日本からそれほど遠く無いこの場所で感じるわずかなヨーロッパ臭。そして東側の国を感じさせる独特の雰囲気。最高としか言い表しようがない世界。ソ連の遺構もあれば、チベット宗教寺院もある。色んな要素が混じった面白い場所、それがモンゴル。 

そんな事言いつつ、今回の遠征は鉄道に8割以上のウエイトをおいた完全なる鉄道遠征。東側諸国独特の無骨な車両は毎日でも見たいもの。と、いうわけでウランバートル駅へ。すると何と3列車、あのシベリア鉄道横断列車がいた。舐めるように観察させていただく。

付近の跨線橋からお見送り。道中およそ1週間、長い長い道程に暇も感じるだろうけどいつか乗ってみたい夢の列車。牽引は2M62MM。いやはやカッコいい。

宿への帰りも鉄道公園を眺めながらハイテンション維持。鼻水も止まる。

その後また宿に帰って昼寝、夕暮れ…といいつつも時間的には完全に夜な19時頃にまた動き出して買い物や食事を済ませ即就寝。モンゴル滞在も遂に終わり、この日朝の列車で北京に戻る。夜中のうちに雨が降っていたらしく、ちょっとだけ期待していたシットリとしたウランバートルのスナップ撮影をしてから駅へ向かう。野良犬に追っかけられてちょっと焦った。 

ウランバートル〜北京間の列車は中国車両による運行日は新型25型を使い、その車内はカシオペアの劣化版とでも形容できるような合理化の極まった味気ないものだけれどもモンゴル内では食堂車にモンゴル客車が使用される。その内装は「見た目上は」豪華そのもの。ここで食事を頂きたかったけれど貧民旅行者身分である以上、現金も極限まで削ぎ落としてロスを減らしている身。もうこの時点で持ち合わせの現金はなく訪問する事はなかった。無念。

そして列車は発車、一路北京を目指す。その乗車時間は24時間を超える。今回撮影したホンホル・バヤンを見届けたところで真昼間だけど爆睡を決め込む。これこそ長距離寝台の贅沢な時間の潰し方。目覚めると15時過ぎ。しばらくしてサインシャンドの駅に到着。

 晴れた。

写真からわかる通り、車掌は中国国鉄の職員が務めてますがその対応は塩そのもの。何ならトイレもほぼ全区間で閉鎖する始末。往路に乗ったモンゴルのおばちゃん車掌の方が遥かに温もりを感じた分余計に愛想が悪く感じてしまう。これはこれで中国の一要素として楽しんでしまえば勝ちではあるのだけども。ゴビの大平原を眺めたり、読書をしたり、また昼寝をしたり。そしてザミンウドへ。列車内で出国審査、そして国境を越えて中国・二連で入国審査を受ける。

ここからがこのモンゴルー中国間国際列車のハイライト、代車交換イベントが始まる。

 乗客を乗せたまま列車を分割、工場にいれていく。その行程は車両航送を感じさせるものもある。

そして、客車がジャッキアップされる。ここまで、特に衝撃もなく寝ているとおそらく気がつく事は無いだろうほど。旅行者のテンションは上がり車内を駆け回り空調は切られ、それ以前に出国審査入国審査で起こされたばかりなので寝ていられる人間なんていないと思うけど。やがて客車の下を台車が流れる。そして各台車を所定の位置に並べ、人海戦術によって驚くほどの早さで作業を済ませていく。 あっという間に客車は再び地に降り立った。 

3日かけた往路とは違い僅か24時間であれよあれよという間に北京へ到着。

北京に着いたその日は疲れと暑さ、北京のスモッグ空にゲンナリしてゲストハウスに直行、夕方まで爆睡を決めこんだ。一応そのゲストハウスは前門大街の近く、古い伝統的な建物を利用したゲストハウスだったのだけどさすがは中国というべきか、見た目には面白くとも清潔では無い。 This is China.夕方。空腹を満たすべくフラッと街に出る。何となく天安門広場まで散歩して、前門大街をぶらぶらほっつき歩いて最後は裏通りで飯を食らう。

ちょっと散歩して夜食食って就寝。

早朝。大雨の音が宿に響く。朝から郊外に撮り鉄に行こうと思っていたけれどウヤ。

朝。適当に食堂で飯を食らい、二度寝。

昼前にチェックアウトすると何と晴れていた。大雨のおかげで空のガスなど皆無。だがこれから観光するにもアテは無いかとも思われた。が、一つ行けていない重要な観光スポットが一つあった。中国鉄道博物館。ちょっと辺鄙だけど行ってみることに。

着いてみると館内の入れ替え作業が進められているのか色んな機関車が建物の外で日向ぼっこをしていた。塗装の汚さもあってちょっと現役を感じる情景に高まる。

この後、北京の市街に戻って晩飯を食べようかと思うも北京の雑踏に疲れ果てさっさと空港に撤収。空港泊の後、帰国。


この遠征、とにかくしんどかったの一言。北京の雑踏とスモッグ、避暑のつもりが暑かったモンゴル、今思えば無謀でしかなかったキックボード移動、、、何から何までが体力と気力を削っていったそんな遠征。けれども寝台バスや中蒙両国の夜行列車はどちらも素晴らしい体験だったし、なによりウランバートルの街はアジアにあってアジアではないやや欧州的、それもロシア的な要素も入っていてそれがまた面白かった。モンゴルの大自然でのサバイバル撮り鉄、過酷であっても今までで一番刺激的なもの。

また同じことをやろうとは思わないけれども最高の旅だったと胸を張って言うこともできる。そんな遠征でした。

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