地球の裏側で改元を祝う-1-
2019年は大型連休の当たり年となった。
10日間にも及ぶ休みが国民に与えられ、日本発欧州直行便のチケットがエコノミークラスにして30万にもなったという話もある。
かかる状況下、退勤後そのままの勢いで下関へ向かい船に乗り釜山へ。半日間釜山で暇潰しした後に成田へ飛び、乗継ロサンゼルスへ。
更に2回の乗り継ぎを経て目指すは日本から最も遠い南米大陸。この地で動き続ける日本製機関車を求めて。
チリ・サンティアゴに着後、また更に国内線へ乗り継ぎアタカマ砂漠の鉱山都市カラマへ。
数多の水の流れに削られた複雑な模様を成す荒野が機窓に広がった時、成田から実に24時間を超える長旅を経てきたことも相まってそれはそれは大きな感動を覚えると共に今回の撮影行を想像して大いに奮い立っていた。
英語のまるで使えないレンタカー屋と特に緊張感もないユルッとした手続きを終えた頃には既に現地時間夕方。日本時間ではとっくにGW2日目を経過した深夜に差し掛かっている。
ひとまず宿にチェックインして目の前のスーパーで食料の買い出しを済ませて軽く散歩に出かける。
初めて見る南米の街は都会ではなくまさかまさかの辺境鉱山都市。これに似た景色はかつてメキシコでも歩いたことはあるがどことなく治安の悪さを感じる。散歩も程々にさっさと宿へ帰っていった。宿自体は流石は欧州資本が流入する巨大鉱山のお膝元というべきか。ヨーロッパのそれと全く同じ見た目のイビスホテル。言葉正しく実家のような安心感。
そうこうするうちに別働で関西から飛んできた友人が到着し、就寝。
たまに聞こえる貨物列車の音に明日への期待を膨らませながら。
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