欧州遠征2015夏-3-

ソフィアからブダペストに向けてはまずはベオグラードへ夜行列車で移動、のつもりだった。イスタンブールからソフィアは結果として限界座席夜行だったが今度こそはいよいよ寝台の旅だ!と意気込んで駅に来たのに…なんということでしょう。乗り遅れた。

駅の行き先表示はキリル文字のみ。その表示ではベオグラード行きにはおそらくホームの番線表示であろう場所に1∃、実際はもっと3に近い文字が記載されていてうっかり13番線だと思い込みそのホームに向かったものの列車の姿はなし。12番線には10分後続の普通電車が入線していたものの多くの乗客が車内には入らずホームに立っていたのを見て、彼らもベオグラード行きの乗客なのだと思い込んだ自分はベオグラード行きの列車は発車駅から既に遅れてるんだなとさらに酷い思い込みをして別のホームで行われていた寝台車の入れ替えを自分の列車だと思って眺める始末。

が、10分後続の普通電車に人が根こそぎ吸い込まれ発車した後に自分のおかれている状況に気付く。何かがおかしいと思って寝台車を組成しているホームの作業員にベオグラード行きはまだかと聞いてみると「ああ、あれはもう行ったよ」と。

聞けば13番線ではなく1番線、工事の都合で駅の辺境端っこの方から発車して行ったとの事。∃の文字の意味は未だにわからないけど、その辺境のホームへの行き方は未だにわからないけど、そういうことらしい。そういえば1∃番線を含めた一部ホームの注意書きが何か駅の柱に書かれてたっけ。その意味も全部キリル文字でわからないけど。

せめて10分後続の普通の車掌に聞けば何かしらの情報を得て列車に乗れたかもしれないと自分の行動を悔やむも時既に遅し悔いても仕方ないが一番の問題は本当に時が遅い事。街に人の気がない。足掻けば足掻くほどに泊まる場所が無くなる事態が目に見えていた私は慌てて宿を探して街を駆け回った。何者かに物陰から刃物を突きつけられないことを願いながら。

結局ベオグラード行きは諦めて翌日昼発車のブダペスト行きで一気にブダペストまで向かう事に。チケットも翌朝に無事確保。トワイライトエクスプレスにも匹敵する長時間乗車、個室寝台がないことが少しショックだったが窓口のおばちゃんが「どうせ昼間はコンパートメント独占出来るし、夜はむしろ誰か来てくれた方が安心でしょ?」との事で6ベッドコンパートメントの半貸切を実現。

車輪の転がる音をBGMに昼寝して、本読んで、異国の車窓を眺めて。

道中、ブルガリア→ルーマニア→ハンガリーと国境を跨ぎ、列車の中でパスポートチェックを受ける。静かで穏やかだけれど新鮮で刺激的で短い24時間の乗車時間。

翌朝、目覚めると列車は間も無く東洋のパリ、ブダペストへ。

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