南米リターンズ-1-

2019年、GWの南米遠征からはや半年経った年の暮れ。

日取りの良い連休の続発する2019年度から2020年度にかけてはまさに海外遠征の当たり年。この2019-2020年末年始もまた日取りが良く、容易く長期連休が取得出来る環境が整っている。と、なると自然と目的地は遠くを目指したくなってくる。

今回の目的地はペルー・ボリビア。前回GWに攻略できなかったポイントを抑えたい一心でもはや迷いなどある筈もない。再びのラテンアメリカの地。冒険心掻き立てられるかの地に再び挑めることに日本出発前からテンションは最高潮。意気揚々と出国し、やり残した作業がないかどうかの最終確認を慌ただしくも普段あり得ない頭の冴えでテキパキと行って搭乗口最終ボーディング。…ヒ゜ンホ゜ーン

「座席繰りの都合からお客様の席を云云かんぬん」…説明など要らぬ。言葉の一言も要らぬ。まさかの羽田⇒ニューヨーク、超長距離路線でまさかのインボラ。年の明けをまたずしてビッグなお年玉を頂いた。突然の出来事に挙動不審と化し、CAには「お楽しみいただけましたか?^^」などと言われる始末。不覚の極み。ずーっと乗ってみたかったJLの個室型ビジネス、オーロラが見られる経路ではなかったことが残念ではあったがおかげさまで超快眠、時差ボケレスでNYに降り立った。トランジット時間は14時間ほど。スーツケースはさっさと預けなおし、身軽な姿で街へ繰り出す。

とその前にまずは空港内に出来た新名所、TWA HOTELへ。

かつてのTrans World Airlines、American Airlinesに吸収される2001年まで、旅客ターミナルとして現役で使用されその後長きにわたって閉鎖されていた20世紀中頃の所謂ミッドセンチュリー建築。その細かい蘊蓄はこの建築分野に深い方々が他所でアツく語っているので御参照。建築分野への造詣が深くなくともこのホテルに強く惹かれる要因は他にある。

それはイギリス発のモノ…という点は見なかったこととして、「サンダーバード」を感じさせるような雰囲気。この建物が航空宇宙の世界に隣接したものであることと、アポロ計画まで20年弱を残した時代にあって意図したものかそうではなかったのか、どことなく宇宙船チックな曲線と直線が明確な作りがそう感じさせるのだろう。いずれにしろノスタルジーを刺激するに余りある素晴らしき場所。20年弱の長き眠りを経てついに再び一般に広く公開されることとなったTWA旧ターミナル。NY着後2時間も経たずいきなり濃密なものと出会う。

次の目的地はニューヨーク地下に張り巡らされた地下鉄のその終着駅のその先にある場所。

WW1すら待たぬ20世紀の極初頭。1904年開業のNYメトロのその初期の姿そのままに今も残るCity Hall Station。地下鉄編成両数の増加に伴って対応ができなくなり廃駅となったその駅は交通博物館主催のツアーで見学が出来るのだがこの日はその機会に恵まれず、Line6の終着折り返しを利用して車内から見学することにした。5両をギリギリ収める程度の短い短いその駅は通常時は大したライトアップすらされておらず見られるのはわずか一瞬。不気味さもあり、神々しくもあり。そして美しい。日本も当時私鉄敷設ブームに沸いていたとはいえ、それはあくまで地上でのお話。地下鉄など程遠く、街の景色も将軍様の時代に毛が生えたようなものであった頃にアメリカでは摩天楼と合わせて長く複雑で更にはかくも美しい地下鉄が造られていった。どっちが優れてるなどという不毛な議論はするつもりはない。ただ歴史を深く深く感じる、僅か数分間の無人回送地下鉄ツアー。

 ニューヨークの見所はこれだけに留まらぬ。留まるところを知らぬ。あれよあれよと言う間に時間が過ぎて行き、10何時間と用意していたはずのトランジット時間が溶けていく。

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